先輩の目を通してみた戦後の東工大史
戦争に行かずにすんだ そのぶん変革の荒波は進んで被った
同窓会の会合で最年長者として挨拶に立った人(田中良平)がいた。28年前(1986)に定年退職した名誉教授だが,大学の重要な出来事に関わり,百年史(1881~1981)の編集にもかかわったとなると,資史料館にとってはVIPだ。さっそくインタビューをお願いし,本稿をまとめた。
良平さんは,千葉県の津田沼で生まれ育ち,盛岡の工業専門学校時代に勤労動員として日立の工場で働き,本学受験の時は前日の東京大空襲で交通がマヒし試験