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展示解説

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東京工業大学博物館に展示中の収蔵品の解説を集めました。
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#通信

スーパーコンピュータ ETA10

ETA10 (アメリカ・CDC社製) は、1988(昭和63)年に本学の総合情報処理センター(現、学術国際情報センター)に導入された初めてのスーパーコンピュータです。 8プロセッサ(CPU)を搭載する並列型のスーパーコンピュータであり、プロセッサや I/O デバイスを光ファイバーで接続するなど、当時としては革新的かつ群を抜いた計算性能を有していました。 しかし残念ながら、実稼働では液体窒素を用いた機器の冷却部の故障やOSをはじめとするソフトウェア群の整備が行き渡らず、予想

世界で初めて実用化された、単一モード光ファイバ通信システム

1982(昭和57)年に、実用化された初めての事例として、本学では、大岡山と長津田(すずかけ台)のキャンパス間を光通信(光ファイバを用いて信号を伝える方法)で結ぶ総合情報伝達システムを構築しました。 光ファイバは、当時日本電信電話公社が開発した世界最新の低損失単一モードファイバ(波長 1.3um)を用い、8本の光ファイバ(400Mbps双方向が4本、100Mbps双方向が2本、予備が2本)をまとめて1本のケーブル(26.4km)にして、東急大井町線・田園都市線沿いのトラフ

KDD 大手町中央局舎の標準時計 ー古賀逸策

国際電信電話株式会社(KDD)で、標準時計を設置するに際し、国産で世界に誇れるものとして、古賀逸策(1899年-1982年)研究室にて開発されたKQ6水晶時計を中心とする装置が採用されました。 KQ6は、古賀研究室で開発が進められていた水晶時計の最終形であり、この装置には、周波数温度特性の優れた水晶振動子300kHz R1(AT)板による発振信号を分周した50Hzの信号により動作する同期モーターが用いられ、亜細亜製作所の製作により、1955(昭和30)年12月に完成納入され